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教育現場を励まし、歴史認識を深める出題を
~「大学入学共通テスト」試行調査日本史問題分析
昨年11月、2021年1月から始まる「大学入学共通テスト」についての試行調査(プレテスト)が実施された。
「20年度の小学校から順次実施される新指導要領では、十分な知識をもとにした思考力・判断力・表現力を重視する。試行調査もこうした点を意識し、暗記した知識を問うのではなく、生徒会規約や会話文などを読み込んで答える国語の記述式問題のように、複数の資料を読解させる問題が多かった。」(朝日新聞)と分析している。
ここでは日本史の問題について設問ごとの分析をするとともに、全体の印象や感想なども記したいと思う。
(問題へのリンクはこちら)
なお、筆者は日本史の大学受験を専門的に指導した経験もないし、センター試験など入試問題を丹念に分析してきたものでもない。そのため、的外れの指摘も多いかもしれないことを、あらかじめお断りしておきたい。
日本史を学ばなくとも解ける~第一問
第一問 「会議」や「意思決定」に関わる問題。
いずれの問題も文章読解力だけで、極端に言えば日本史を全く学んでいない生徒でも解けてしまう。面白い諸史料が、設問や選択肢のせいで、生かせていない。
問1は「左大臣と参議、どちらが偉いか」がわかり、「定文には賛否の意見が列挙された」という記述をみつければ解ける。前者は、「人間を列挙する際は身分の上から書くだろう」という常識があれば、何の知識もなく、考えることも不要。簡単な読解問題になってしまった。
問2は、御成敗式目における「道理」の理解と「法治主義」的性格を問う問題。式目が「武家社会」に限定した決まりであることや「権門」の意味を理解して判断させるのならよいが、「道理」の他の選択肢が「多数決」であり、「権門」も注で意味を記しているのなら、何を問いたいのかわからなくなる。せめて、「権門」の注を取り除き、Ⅰの選択肢をd「律令法」にする方が、御成敗式目の意味を問うことができる。
問3は惣村の自治に関する問題。史料内に「年貢」のことが書かれているか「刑罰」のことが書かれているか、という読解と「全員参加による審議」が連帯意識を強めるか、弱めるか?という常識で解ける。問5との関わりのせいかもしれないが、惣村の性格や村掟の条々が何を指すのかなどを従来型の問題で問う方がよかったのではないか。
こうした問題はさすがに正答率も高く60%台の正答率である。逆に言えば、30%強の生徒が誤答をしているところに、日本の教育の問題性を感じる。
問4・5はやや気になる。
問4は「選ばれる」ことは「代表」か「支配」か、一方で「治められる」という言葉があり迷うかもしれない。「命令者よりも執政官の意見」という言葉で「支配」か「自立」かを判断させている。国語力の問題になってしまう。
問5ではこれまでの情報をもとに、「社会の階層によって参加が制限された」ことの正誤を問うている。あまりに常識的すぎて、逆にセンスのある生徒、問題・史料文から正確に読み取ろうという生徒の方が迷いそうな気がする。この回答をどこから引き出すべき決定的な情報が与えられているのか、いずれの史料も前近代の常識を問いかけるものだけに、「ひょっとしたら」という恐れを抱きそうだ。
その結果、正答率も、問1~3が60%台にたいして問4は50%強、問6は40%に達しない低い数字となっている。
第1問、いずれの問題も日本史の知識はいらない。日本史を題材にした文章から情報を読み取る「国語」や「情報分析」の問題である。「日本史における「会議」や「意思決定」について、学ぼう」というおもしろい教材であるが、それが日本史での学びを問う問題として妥当かというとやや躊躇する。
浄土思想の広がりを示す「良問」と、「オチ」がない出題~第二問
第2問Aの2問はオーソドックスな問題であり、多くの生徒が既習範囲なので正答率も高い。
問1<6>は4世紀の時代像を問う問題。この手の問題は79%と正答率は高く、問2<7>は史料中での人物が考えとを想像する問題。現場での授業展開に示唆を与える積極性を持つ。ただ授業の場では、「下戸」の行動は身分制にかかわり「偉い人と会った。おそれおおいことだ」というイメージでの説明の方が一般的であり「自分には関わりがないことだ」といったインテリ的なイメージにはやや違和感を感じた。正答率68%。
問4<9>は良問。極楽浄土という言葉から浄土思想を導き出し、それにかかわる代表的な彫刻、建築、絵画を選ぶ。浄土思想の広がりを画像から選ぶ問題。密教の曼荼羅との差を見つける問題。生徒の写真などを軽視する傾向もあるのだろうか。正答率は30%と前近代史では2番目に低い。
それに対し問3<8>はいただけない。設問自体が年表の読み取り通りであり、全くひねりもなく、出題意図が不明。関西人?!なら、「オチはないのか?」と心配になり「古い時代」あたりに秘密は隠れていないかと心配になり自滅するパターン。それに引っかかったのか正答率は52%と予想外に低い。
力の入った良問が並ぶ、ヒントがありすぎるものも~第三問
第3問は力の入った問題が多い。
Aは生徒も必ず見ているであろう東郷荘の下地中分の絵図の分析。問1<10>は下地中分の時期を荘園史の歴史の流れの中に位置づける問題であり、妥当の出題。オーソドックスな問題でありながら、次の2問より正答率が低い(36%)。時間的な位置関係や出来事の意味を捉える力の低さを示すように感じる。「下地中分」の文字なしでも、もっとできねばならない問題なのだが。
問2<11>は史料をどのように読み取るのかを考えさせる問題。資料Ⅱをしっかり読めば解答できてしまう。もう少し工夫がほしいが良問。正答率49%。
問3<12>は史料によって知ることのできる限界を答えさせる問題。良問ではあるが、来年度以降は使えないのでは。正答率60%
問4<13>はよく練られた良問であり、かつ難問。今回の試行テストの目玉の一つ。仏と祈るものの位置関係(人間はどこにいるか)をカードと日常的な人間の座る位置(常識)から理解し、さらに日本仏教の歴史をたどるという二つの要素を組み合わせた問題。問題意図をくみ取ることができない生徒も多かったと思われるし、鎮護国家→貴族仏教→民衆仏教という時代をとらえることもきついだろう。また人間が仏から離れていくといったパターン化した常識的な動きとはちがうことも引っかかりやすい。予想通り、29%という前近代史で最低の正答率。こうした洞察力こそが求められる力なのだが。
現在の食生活の背景を問う問題も~第4問
第4問は近世に関わる問題従来型の問題が多い。
問1<14>は従来型の問題。武家諸法度の内容理解があれば解ける。正答率も66%と高い。
問2<15>はまず問題集には出てこないタイプの良問。「江戸で生まれ育った大名はどういう生活をし、何を考えるか」との「文学」的なセンスがあれば推論可能。享保の改革の「上げ米の制」の理解があれば安心だが、そうでなくとも解ける。正答率49%と微妙な数字。
問3<16>は文中から間違いを探す従来型問題。ただ正誤のキーが歴史用語の誤用でなく、「特産物を増産し、自由に販売させた」という「自由」に反応できるかどうかにポイントがおかれており、時代のセンスを問う面がある。なお「寛永の飢饉」は、あまり教えられない内容でもあり、そこから誤答が出たのかもしれない。正答率37%と低い。
問4<17>那覇でなぜ昆布消費料が高いのかというテレビ番組などでも取り上げられそうな内容をもとにしたユニークな設問。蝦夷地が北海道、那覇が沖縄県ということがわかれば解ける問題。海外交易=長崎貿易という常識に引っ張られた生徒に間違いが集中したのではないか。すこし立ち止まって問題の趣旨を問う力(余裕?)が必要。正答率40%。
「学び」の成果や歴史的評価を問う意欲的な問題群~第5問
第5問は幕末維新期に関わる問題で<A>には、用語の記憶だけでない「学び」の成果や歴史的事象をどう評価するかといった一般の試験問題では問いにくい問題を出題している。現場の授業内容を背景にしながらも違う切り口から迫る良問。
問1<18>はペリー来航前後の事象を問う問題。やや手薄になりがちなアメリカ南北戦争との時間的関係や、現在からの類推もあって、最大の貿易相手国をアメリカと考える生徒の弱点をついている。妥当な問題だが正答率は34%と低い。
問2<19>は不平等条約の中身を、幕府の外交官僚の力量という新しい研究の成果も交え問うた妥当な出題。「外交経験が不足」=不利な条項、「主体的に条約を結んだ」=不平等とはいえない条項、という等式が理解できれば、内容が理解できていなくとも解くこともできる。片務的最恵国待遇を教え切れていない場合や居留地設置についても授業では触れられないことも多く、やや苦戦したかもしれない。正答率43%
問3<20>は、歴史的事件の意味を考えさせる試行テストの目玉ともいうべき意欲的な問題。しかも、出題者の評価を押しつけない意味でも画期的な方法。幕府滅亡を、桜田門外の変で見るか、第二次長州征討の失敗で見るか、それぞれどのような歴史的意義があったかをセットで選ばせる斬新な手法。今後の歴史の授業の改善においても意味のある出題となったと思われる。このタイプの問題が増えていくことを期待したい。正答率44%をどう評価すべきか。
問4<22>は、明治時代の「すごろく」が何を意味するかを問いかけている。意欲的だが、「国会開設の大詔・憲法・帝国議会」の一連の出来事が「立憲政治」にかかわるという政治学の常識があれば解けてしまう。正答率54%。
問5<23>は、歴史上の分析をする際の必要な史料選択を問う問題。論理的な思考力などの方が問われる問題。史料をどのように扱って、立論していくかの経験も必要かもしれない。しかし、このような丁寧な訓練が現場でできるかはやや疑問。正答率50%
グラフの読み込みを求める従来型問題~第6問A
第6問Aは工業生産高の増加に対する寄与率のグラフを元に分析する問題で、オーソドックスであるが、多くの生徒が苦手とするタイプの問題である。さらに現役生の多くにとって未習領域でもあり、正答率は低目となる。
問1<24>はグラフの読みを直接問う問題であり、Xの繊維業が1920年代まで日本経済を牽引してきたことはグラフなし読み取れるし、Yの機械工業・造船業の中身が軍需物資(軍艦や兵器)であることが思いつけばグラフなしでも常識的に判断しうる。それができなくとも、1920年代に軍縮が進行したことが理解できれば解けると思うのだが、正答率は48%。
問2<25>は国内産業と貿易に関わる問題。戦前日本の輸出は綿・生糸の二つの繊維業に担われていたという歴史的常識を知っていれば解きやすい問題だが、この常識が学習時期の問題もあり定着していない。正答率31%。歴史を全体像として捉えることの弱さを反映している面もある。
問3<26>戦時期の経済政策を問う問題。1940年代を戦時期としてとらえられるかというポイント、そして戦時期~総力戦体制のもとでどのような経済政策がとられるかということを考えれば、解ける問題であり、戦時体制を考えさせる良問といえる。正答率は39%と低い。選択肢の意味を読み取れなかった可能性もある。
絵画資料の鑑賞力を問うことは妥当か?~第6問B
第6問のBの問4<27>は戦争画を読み解かせる問題で今回の目玉の一つ。絵画の特徴を読み取らせ、かつ戦争の意味を考えさせる内容。意味を考えさせる方は「戦争が終わることを知らせる」「社会主義運動を暗示させる」といった内容があり得ない想定という常識があれば解ける。絵画の特徴を読み込むという鑑賞力を問う設問については違和感を持つ人もいそうである。正答率45%。
問5<28>は残留孤児と沖縄の施政権にかかわる常識問題で、さすがにこれはできるだろうという問題。80%の正答率。
戦後史でこの問題は・・・?~第6問C
第6問Cは戦後に関する問題。現役生はほぼ未習であり、最終的にも学ぶことの少ない分野の問題。しかも経済2問、時期を選ぶ問題1問と苦手な問題がならぶ。
問6<29>「神武景気」の特徴を問う問題。
1955年という時期のイメージがなければできない。一般に日本の景気回復が朝鮮特需と結びつけられて語られることが多いので、誤答が多く、さらに戦前最大の貿易相手国としての中国を思い浮かべることはあまり行われておらず(アジアとして一括されている傾向が強い)、引っかかりやすかったと思われる。ある意味、問題作成者がこの点に注目してほしいという思いがあったのではと考えてしまう。こうしたこともあって、正答率は21%と全問題中、最低の数字。
問7<30> は1955年当時の政治を問う問題。1955年という時代にどれだけのイメージがあるか。日韓条約が1965年だから明らかにわかるのだが、労働運動が政治主義から賃金上昇に移るという言い方は春闘がこの時期始まるから間違いはないのだけれど、1960年安保闘争という激しい政治闘争や三池闘争もあってすこし違和感を感じさせる内容ではある。日韓条約の時期だけで答えることが求められる全問中、唯一といってもいいような典型的な従来型問題。それをここで出題するか、疑問。正答率26%。
問8<31>食料自給率の表を読み解く問題。グラフを読み解くどちらかというと地理や政経のような問題。戦後の日本の食生活の変化のイメージをもとに選び、それを表で確認すれば解ける問題。しかし日本史で出題すべき問題か、という気もする内容。正答率65%
意欲的な「良問」と歴史の知識なしで解ける問題~全体を通して~
最初に見たときは、解答者の主体的判断をもとに歴史的事象の歴史的意義を問うたり、仏教理念が仏堂建築にどう反映するかなど、良質の問題が目についたが、一問一問、丁寧に見ていくと高校での日本史学習ですすめられる「知識・技能」の面が軽視され、文章読解力と常識的な判断力が育っていれば半分近くが解ける知能テスト的性格が強まったといえる。
かなり以前から、センター試験において私学の問題によく見られる穴埋めなどで歴史用語を問う問題はほぼ消滅し、正誤問題中心になっていた。しかし正誤を決めるキーワードに、教科書の脚注などで用いられる用語や細かな年号の知識が必要とされたため、センター試験においても過酷な歴史用語の記憶が求められた。
今回の試行テストでは、私学従来型はもちろんのこと、センター従来型の問題すらもほぼなくなった。一生懸命、歴史用語を記憶してきた生徒、とくに私大入試をメインにして、センター試験も受けるという生徒や、それを教え込んできた教師にとって、ある意味、衝撃的な内容となったと思われる。
センター従来型の問題は第2問1、第3問1、第4問1・2・3、第6問5・6・7 の7問にとどまり、それすらも生徒にとって負担の大きい戦後史が3問、生徒が苦手とする時期の特徴や特定をさせる問題2問。残りは2問、幕府の大名統制に関わる問題1問と藩政改革とくにその経済政策1問となる。
なお新傾向の問題ではあるが、第5問1・2・3は高校の授業に配慮した内容になっている
またこれまでからセンター試験で多用されてきた表やグラフの読み取りも従来型と考えれば第6問1・2・3・8などがこれに当たる
それにかわったのが、史・資料の読み込みである。史料といっても、現代語訳であったり、必要以上の注がついていたりするため苦労がいらない。もっといえば日本史の知識すらいらない、国語的な読解力と情報処理能力があれば解ける問題が多くの数に上った。第1問全5問、第3問2などがこうした例としてあげられる。
さらに画像や美術史料を大幅に取り込んだ問題が多く、第6問4は、絵画の鑑賞力すら問う出題となっている。第2問4の浄土思想は良問であるが、第2問3は出題の意図すら不明の問題であり、第3問2・第5問4は面白い内容なのだが、ヒントを与えすぎてしまい、読解力や常識で解けてしまう。
さらに常識力が問われる問題も多くなっている。第4問2は大名が江戸に生まれ、江戸で育てばどのような行動をとるかという「文学的な」常識力が必要であり、第4問4は、蝦夷地は北海道にあり、那覇市は沖縄にあるという地理的常識が前提となっている。さらに第5問4は議会開設・憲法制定が立憲政治に関わるという政経の知識が必要になってくる。逆にいえば、こうした問題の多くはこの常識だけで解けてしまう問題でもある。
良問も多く見られた。
第2問4は浄土思想を広がりの中でとらえるものであり、選ばれた図版も適切である。
第3問4は仏教史の流れと、カードに示した礼拝において祈る人間はどの位置にいるか、それを可能にする仏堂はどのようなものかを連続的に考えていく、しかもその変化は一見連続的ではない。さらに、授業で結論的に教えられることはほぼありえない分野からの出題である。学んだ知識を自分の経験や常識をもとに組み立てていく上で良問といえる。
第5問Aの3問は、現在の歴史研究の成果を反映させつつ、事象の歴史的意義を新しい手法で問うなど良問といえる。
第6問3は、総力戦体制の下で戦争のためにはどのような経済政策がとられるかを考えさせる設問となっており、高校によい意味の刺激を与える問題である。
現場の歴史教育を励ます出題を ~全体を通しての感想
全体を通して考えたことは、思考力・判断力・表現力の分野に重点が置かれすぎて、日本史の授業で学んでいる内容、とくに知識・技能領域に対して否定的でありすぎる印象を受ける。歴史的なセンスや常識を問う意図なのだろうが、必要以上にヒントを出しすぎたために、国語的な読解力や情報処理能力、さらに一般的な常識・センスだけで半数近くの問題は解けてしまう内容となった。このように「知識・技能」がなくとも解ける問題が多くなったために日本史の試験であるのか、知能検査ではないのかとさえ思える。
分析や推測の能力を重視するのはよいが、分析・推測のもとになる知識のストックを軽視しすぎでないか、新傾向を取り入れようとするあまり従来型の問題を排除しすぎたのではないかと考える。
かつてのように、細かい歴史用語がわからなければ解けないという問題も困りものだが、今回のように実際の歴史事象の知識なしで読解力や論理や常識操作のみによって解けてしまう問題も困りものだ。
私は、歴史教育において、基本的な歴史的事実は、それぞれの時代のどのような背景、要請の中で発生したのか、その内容は何か、そしてその出来事はどのような歴史的意義を持っていたのかなどを理解したうえで記憶することを求めるべきと考える。そして、そうした知識を背景に推論するという形での出題は望むところであり、今後のあるべき歴史教育の方向を指し示しうると考える。
そうして点において、今回の試行テストはそうした方向があり、現場での歴史教育の改善をすすめる上のよい意味で「困惑」させた問題が見られた一方で、センスと読解力のみで解ける、歴史教育の現場をよくない意味で「困惑」させた出題もあった。
今回の問題の傾向が進むと、たしかにあまりに膨大な記憶量が求められたことで日本史から去って行った生徒を呼び戻すことができるかもしれないが、日本史をがんばってきた生徒にとっては拍子抜けの問題が多く、自分たちの努力を無にされた印象をもつように感じられた。
膨大な歴史用語を詰め込むというのではない、歴史に対するより深い認識をもとうとする方向へと受験生を誘うような方向の改革を進めることを期待したい。