「日本近代史をどうとらえるか」をUPしました。

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「日本近代史をどうとらえるか、そのスケッチとして」をUPしました。

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(「日本史Aの自習室」)

<日本近代史をどうとらえるか、そのスケッチとして>

    はじめに
    第1章 幕末期の政治過程をどのように理解するか
      (上) (下)
    第2章 明治維新をいかに評価するか
    第3章 「明治憲法体制」の矛盾と展開
    おわりに

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最初は「準備室」のコラム程度のつもりでした。
大学で幕末・明治維新史の授業を聞いて「現在の研究レベルをもとに簡潔な幕末・維新の歴史をまとめよう」と考えたことが出発点です。市民講座での「倒幕・天皇制国家という道とは違う日本近代史があったのではないか」という議論にも触発され「幕末維新」の変革とは何であったのかということも考えたくなり、一昨年の秋くらいから文章を書き始めました。第1章はこうした経過で記され、時間軸に沿ってまとめた形になっています。あれもいれよう、これもいれようとするうちに、簡単にまとめるつもりが、どんどんと膨らみました。王政復古あたりで終わらせるつもりが、それでは終わらなくなりました。なぜなら大政奉還・王政復古の時点では、単に幕府がつぶれた以外なにひとつ解決されていないからです。倒した方も、これといった構想を持っていなかったのですから。
その後、巨大な建築物が崩れ落ちる映像を見るかのように幕藩体制や身分制社会の崩壊していきます。「破壊」というより「自壊」のイメージ。自分たちがはじめたことが想定よりもはるかに大変な事業であることに気づいた連中が、「天皇の信任」を利用して開発主義的な変革をすすめたという筋道を考えました。それなら、そのようにはじめられた「日本の近代」はどのような性格を持っていたのか、天皇制国家論争も頭の端に思い浮かべながら、「受容された近代」と「拒絶された近代」を考えてみました。
終章として、明治憲法体制への展望を記そうとしたました。しかし、それでは不十分でした。維新のなかで生まれた「藩閥政府」=執行権力独裁がその権力を維持しつつ、権力基盤を地主・ブルジョワという階級の間にどのように広げていったのか、強い権力を持ちつづけた執行権力はどのような運命をたどるのか、それは新たな章を必要としました。そして執行権力はしだいに制御能力を失い、戦争へと突入していきます。最終的には裕仁天皇しか、混乱を収めきれないというところまでいってしまいました。
「はじめに」では、大学時代考えたことや学んだことも整理するなど、文章もどんどん長くなってしまいました。
私が書いた文章は論証や研究史の裏付けもない、元高校教師の単なる思いつきにすぎないものだと思います。時間の無駄にすぎないものでしょう。しかし自分なりに日本近代史をまとめてみることは、非常に楽しいことでした。もし、気が向かれたら、目を通していただけると光栄です。